あらすじ
「鋼の悪女」「歩く呪殺結界」――後宮にて数々の恐ろしい異名をとる妃、玲燕(レイエン)。常人離れした長身と、一睨みで泣く子も黙る三白眼を持つ彼女は、皇帝の寵妃を呪い殺そうとした罪で後宮の最下層「忘却宮」へと追放された。しかし、当の本人は至って機嫌が良かった。「これで誰にも邪魔されず、思う存分に死体の解剖と新薬の実験ができる!」と。
玲燕の正体は、権力闘争など欠片も興味がない、筋金入りの法医学・薬学オタクであり、その恐ろしいほどの身体の頑健さは、幼少期からの過酷な人体実験(セルフ)の賜物であった。
冷飯と死臭に囲まれた快適なスローライフを満喫していた玲燕だったが、ある日、天女のように美しいが性格は底無し沼のように真っ黒な宦官・紫雲(シウン)が、一体の奇妙な骸を持ち込んでくる。「呪いで青い炎を上げて死んだ」と噂されるその骸を一目見た瞬間、玲燕の探求心に火がついた。
論理的すぎる悪女と、美貌の腹黒宦官が、後宮に蠢く非科学的な「呪い」や「陰謀」を、理詰めと腕力で解体していく中華風後宮ミステリー。