あらすじ

「番だから、好きになったわけじゃない」 そう思っていたのは、二人とも同じだった。 伯爵令嬢クラリス・オーブリーには、前世の記憶がある。 優秀すぎて疎まれ、我慢だけを重ねた前世。あっけない事故死の果てに浮かんだのは、「私の人生って、何だったんだろう」という虚しさだけだった。 だから今世は、自分の心に嘘をつかないと決めている。 伯爵令嬢という肩書きを持ちながら、危険な魔法生物学の研究に没頭する変わり者。そんな彼女が出会ったのは、獣人族の族長・ヴァルク。人間には見たこともない密度の魔力を纏う彼に、クラリスは一目で心を奪われる。 ――研究対象として。 「触ってもいいですか」 口説き文句のつもりなど、欠片もなかった。 けれどヴァルクは、その真っ直ぐな好奇心にあっという間に絡め取られていく。 「――番って柄でもない人間だと思ったが」 初対面で覚えた、説明のつかない胸のざわめき。理性は「番」だからだと警戒する。それでも、共に過ごす時間が増えるたび、警戒はいとも簡単に溶けていった。 研究者として尊敬し合い、獣人族の姿も、彼の弱さも、隠さず見せ合うようになった二人。だが皮肉にも、恋を自覚した瞬間から、これまで誰よりも大胆だったクラリスが、彼の前でだけ動けなくなる。 「以前はもっと近かっただろう」 追う男と、逃げる女。 それでもヴァルクは、決して逃がすつもりはなかった。 「クラリス。俺は、お前が好きだ。番だからじゃない」 理屈でも運命でもなく、ただ、お前自身が欲しい――。 だが、幸せな日々の先には、彼女の夢と彼の役目、それぞれの人生をかけた選択が待っていた。離れ離れになっても、「番が離れることはない」という彼の言葉を信じて――。 違う種族の彼に見初められ、狼の旦那様は絶対に離してくれない。 人間と獣人、住む世界の違う二人が、それぞれの誇りを捨てずに愛を貫く、溺愛系異種族ラブストーリー。

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小説を読もう2026/09/10
  • 現在の作品【完結】悪役令嬢な伯爵令嬢は、獣人族の族長に「番」として愛される ~研究者の私を、狼の旦那様は離してくれません~