あらすじ
三日月の輝く夜、季節外れの雪とともに、南嶺《ナンリン》王国にひとりの王女が誕生した。
銀の髪、碧い瞳、星模様の白い肌。
産声を上げることもないその子は、明らかにただの人間ではなかった。
王女に与えられた仮の名は、柊筮《しゅうせい》。
人の世界で育ちながら、彼女の内には《氷雪の妖精》としての力が静かに眠っていた。
そしてやがて訪れる〈目覚め〉の時。
人として生きてきた少女は、否応なく人ならざる存在へと変わっていく。
行き場を失った妖精を迎えたのは、紫紺の邪眼を持つ魔術師ラムダ。
そして、陽気なホブゴブリンのアミィストーン、物語を追い求める吟遊詩人フィロト。
ラムダは、名を失った妖精に新しい名を与える。
――ラームファダ。
人か、妖精か。
愛するとは、護るとは、共に生きるとは何なのか。
人と妖精、魔術師と吟遊詩人、それぞれの想いと運命が交錯する、
詩と幻想の長編ファンタジー第一巻。