あらすじ
魔王城の総務課長、ゼノン。
彼の仕事は、魔王軍の予算管理から備品発注、施設修繕、給与計算、そして――領収書のチェックまで。
今日も今日とて帳簿と向き合っていた彼のもとへ、ある日、最悪の知らせが届く。
「勇者パーティが魔王城へ侵入しました!」
普通なら、迎撃だ。
だがゼノンが最初に気にしたのは――
「……また壁を壊されるんですか?」
そう、魔王城の予算は有限なのである。
しかも侵入してきた勇者たちの経費精算書を確認すると、
【宛名:勇者様】
【但し書き:お品代】
【日付:なし】
【高級宿泊費:スイート】
【酒代:大量】
……不備だらけだった。
「これは経費として認められません」
「俺たちは勇者だぞ!?」
「勇者でも領収書の要件は満たしてください」
やがてゼノンは、勇者たちの杜撰な経費処理の裏に、王国財務省を巻き込む巨大な公金不正が隠されていることに気づく。
魔王軍にも不正経費が発覚。
勇者パーティとも一時休戦。
超国家税務監査局まで参戦。
剣と魔法の世界で繰り広げられるのは――
魔王討伐ではなく、まさかの会計監査だった。
勇者、魔王軍、総務課長。
立場も種族も関係ない。
金を使ったなら、領収書を出せ。
これは、世界の命運を握る男――ではなく、組織の予算と帳簿を守る総務課長の物語。