あらすじ
「期間限定」という言葉が、私は嫌いだった。
終わりが決まっているものを、どうして人は欲しがるんだろう。
そう思っていた私の隣で、恋人の御庄元希(みしょう げんき)は笑った。
「期間限定って、なんか得した気分になるよね」
私は答えなかった。
このときの私は、まだ知らなかった。
元希との時間にも、少しずつ期限が近づいていたことを。
彼は、大切な思い出から少しずつ忘れていく。
約束を忘れ、場所を忘れ、そしていつか――私のことも。
忘れられることを何より怖れていた私と、忘れてしまうことを怖れていた彼。
これは、終わることを知りながら始まった、二人の一年間の恋の物語。
私の恋には、賞味期限がある。
その言葉の本当の意味を、私は最後の春に知ることになる。