あらすじ
俺の名は夢野晄叶。アギトと読む。
2013年、東京・阿佐ヶ谷。
古いテラスハウスの庭で、家族と三田牛のステーキを焼いていた。
一見すれば、どこにでもいる家族の、どこにでもある休日。
ただし、俺の家族は少しだけ普通ではない。
そして俺自身にも、誰にも話していない秘密があった。
夢の中で、俺は自由に動ける。
現実ではわずかな眠りでも、夢の中では何時間もの時間が流れる。
俺はそこで勉強し、身体を鍛え、空手の型を繰り返す。
ゲームと女の子が好きな、どちらかといえば怠け者。
なのに、なぜか身体は鍛えられ、勉強もできる。
そんな俺の日常は、少しずつ「普通」から外れていく。
父から受け継いだもの。
母から受け継いだもの。
そして、夢と現実の境界で身につけていく力。
これは世界を救う英雄の物語ではない。
自分と、自分の大切なものを守るために、
生き残る術を身につけていく男の物語だ。
生き残った者には、生き残った者の掟がある。