あらすじ

アルバニア・ジロカストラを舞台にした20代30代女性向け国際恋愛の短編小説。 前後編で完結する読み切り作品です。 アルバニア・ジロカストラを舞台にした20代30代女性向け国際恋愛の短編小説。 三十一歳の日本人女性・小宮ユイは、有給休暇を使って一人旅に出た。目的地は、南アルバニアの丘に石造りの家々が重なる「石の町」ジロカストラ。会社では長く商品企画を担当し、昇進の打診を受けているものの、期待されるほど断れなくなる自分の生き方に息苦しさを感じていた。 宿の夕方、ユイが石屋根を眺めていると、隣室に滞在するアルバニア人男性アルディ・コラと出会う。地元出身ながら現在は首都ティラナで救急通信指令員として働く彼は、休暇のたびに故郷へ戻り、夕暮れになると必ず町を一周する。 「どこへ行くんですか」と尋ねたユイに、アルディは「どこにも。歩くだけ」と答える。 目的地を持たず同じ道を往復するアルバニアの夕方の散歩「ジロ」。最初は理解できなかったその時間に、ユイは毎晩付き合うようになる。石畳を歩き、同じ坂を上り、同じ店で立ち止まり、昨日とは少し違う相手を知っていく。 二人の問題は、離れなければならないことではない。この旅のあとも、わざわざ相手と歩く時間を生活の中に作るのか。 別れを恐れて距離を置くのではなく、最後まで近づき続けた二人が、「次の一周」を自分たちで選ぶ恋愛物語。

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カクヨム
カクヨム2026/09/10
  • 現在の作品石屋根の坂を、もう一周だけ┃アルバニア・ジロカストラの国際恋愛短編小説