あらすじ
「毒に殺されるくらいなら、いっそ美味しく死んでやる」
薬草いじりしか能のない田舎娘・銀花は、そんな物騒な口癖とともに、山奥の村で毒草と戯れる日々を送っていた。ところがある日、後宮で相次ぐ原因不明の体調不良を鎮めるためにと、毒見役として都へ召し上げられてしまう。
渋々従った初日の夜、彼女が見つけたのは、附子(ぶし)の毒に倒れた下級妃・采蘋(さいひん)の姿だった。とっさの手当てで一命こそ取り留めさせたものの、そこへ現れたのは後宮随一の実力者だという美貌の官吏・霖(りん)。彼が告げたのは、あまりに理不尽な命令だった。
「明日の茶会まで、彼女の身代わりを務めてもらう」
作法も化粧も知らぬ毒見役が、一夜にして仮初めの妃に早変わり。果たして化けの皮が剥がれるのが先か、毒を盛った真犯人にたどり着くのが先か――。舌の上で真実を暴く、型破りな後宮ミステリー、堂々開幕。