あらすじ
AIの進化によって、多くのホワイトカラー職が姿を消した近未来。
かつて高給取りだったプログラマー、会計士、コンサルタントたちに代わって、最も人気のある職業の一つとなったのは――ごみ収集人だった。
会社員の田中は、AIが作った資料を確認するだけの日々を送りながら、自分が働く意味を見失いつつあった。
そんなある朝、高校時代の同級生・森田と偶然再会する。
かつて「勉強しないと将来苦労するぞ」と言われていた森田は、今や超難関となった廃棄物収集士として、街を走り回っていた。
汗をかき、身体を動かし、誰かに必要とされる仕事。
田中は失いかけていた「働く実感」を取り戻すため、長年続けてきたホワイトカラーの世界を離れ、身体を使って働く世界へ踏み出していく。
しかし、それから時は流れ――。
AIに続いてロボット技術が進歩し、人間にしかできないと思われていた仕事にも、やがて自動化の波が押し寄せる。
頭脳を機械に追い越され、身体までも機械に追い越されたとき、人間は何のために働くのか。
AI時代の「仕事」と「生きる実感」を描く、近未来ヒューマンSF。