あらすじ
「何見てたの?」
「数字です」
カラオケ店で働く二十一歳の久瀬凪は、数字が増えていく放置ゲームが好きだ。設備を買い、効率を比べ、寝ている間にも増やしておく。そんな遊びを続けていたら、自分にしか見えないゲームで、現実のスキルまで買えるようになってしまった。
歌唱、演技、料理、語学。その先には、スポーツも研究も。
稼いだポイントを才能に使うか、もっと稼げる設備の強化に回すか。効率だけなら答えは決まっている。けれど、昔は歌えなかった好きな曲を、今すぐ歌ってみたい。
無口で眠そうな顔をしているせいで、周りにはクールだと思われがちな凪。本人は褒められれば浮かれるし、賞金は欲しいし、人前に立つ直前には内心そわそわしている。
数字を増やして、できることを増やして、欲しいものも増えていく。ゲーム好きの青年が、好きなことから現実で成り上がる物語。