あらすじ
高校二年生の桐谷悠真のスマートフォンに、ある雨の日、三年後の未来から一本の電話がかかってくる。
電話の相手は、白石雨音という少女。
彼女は悠真の名前を知っていた。
そして告げる。
「私たちは恋人だった。でも、悠真は私を助けて死んだ」
未来の雨音によれば、二人が出会うのは今年の夏。
七月二十八日の夏祭りで起こるある事件をきっかけに、悠真は三年後、雨音を救うため命を落とすという。
未来を変える方法はただ一つ。
**二人が出会わないこと。**
雨音は何度も悠真に警告する。
「私を探さないで」
「青葉駅には来ないで」
「今度は、私を助けないで」
しかし、まだ会ったこともない少女が自分を失って泣いていることを知った悠真は、彼女を放っておくことができなかった。
やがて悠真は、現在の雨音が通う高校を突き止め、青葉駅へ向かう。
そこでついに、現在の白石雨音を見つける。
声をかけなければ、まだ未来は変わらない。
そう思った瞬間――
初対面のはずの雨音が、悠真の名前を呼んだ。
「……桐谷、悠真?」
なぜ現在の雨音まで、悠真を知っているのか。
なぜ未来との電話は雨の日にしか繋がらないのか。
七月二十八日、本当は何が起こるのか。
そして未来の雨音が隠している、悠真の死にまつわるもう一つの真実とは――。
未来から届く声を頼りに、自分自身の死の運命を追う少年。
まだ出会っていない恋人を救おうとする少女。
二つの時間が雨によって交差していく、ひと夏の青春タイムSFラブストーリー。
**「君と出会わなければ、僕は死なない。
それでも僕は、君に会いたい。」**