あらすじ

後宮の片隅で毒見役として飼い殺されている董蓮花(とう・れんか)、十七歳。取り柄といえば頑丈な胃袋と、毒物への尋常ならざる愛情だけ。名の知れた薬師だった父は、貴人を毒殺した罪で消えた――というのが表向きの話で、蓮花自身は父の無実を誰よりも疑っている。 ある夜、後宮随一の寵妃・沈貴妃が変死する。死因は「心の臓の病」と発表されるが、遺体を検めた蓮花は違和感を覚えた。唇の色、微かに残る匂い、爪の際の変色――これは病ではない。毒だ。それも、市井では到底手に入らぬ類の。 だが真実を告げる前に、蓮花は宮廷の闇を統べる男・桓灼(かんしゃく)に口を封じられる。「貴妃の死は、まだ公にできない」。そして突きつけられた提案は、あまりに理不尽だった。 「お前が、沈貴妃になれ」 地味な毒見役の小娘が、後宮一の美姫に成り代わる。前代未聞の身代わり生活の裏で、蓮花はただひとつの目的のために毒を喰らう覚悟を決める――本当の毒殺者を、暴くために。

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小説を読もう2026/09/10
  • 現在の作品毒見役の小娘、後宮随一の寵妃に成り代わる