あらすじ
伯爵令嬢レイラは王都の祝宴で、侯爵家の嫡男マグヌスから婚約を破棄された。
「酒を飲んで酔わない女に価値はない」と言われたとき、彼女は前世を思い出す。鹿児島の小さな焼酎蔵で酒造りを担った女性杜氏だった記憶を。
「あー、一次発酵タンクに落ちて溺れたんだっけ?」
レイラは婚約破棄を受け入れ、証書に「互いの将来の財産や事業へ権利を求めない」という条件をこっそり書き加える。マグヌスは内容を確かめずに署名した。
ニヤけながら伯爵領へ戻ったレイラは、貧しい領地を立て直すため、売れ残る紅芋から新しい酒を造ろうと決心。黒麹に近い菌を見つけるも、一回目の仕込みに失敗。
「腐ってるし……」
ウンウンと悩んでいるところに、王室の酒税監察官ダリウスが現れ、危険な無許可酒造だとして操業をとめる。レイラは成功した記録だけでなく、失敗の記録や帳簿まで見せ「安全を証明するために、三十日間の試験操業を認めてください」と求める。ダリウスは鬼気迫るレイラに圧され、しぶしぶ試験操業を認める。
そのダリウスは「ただし、僕はここで監督を続ける」と、しれっと伯爵家に滞在。
二人は意見をぶつけながら試行錯誤し、芋の香りを残した蒸留酒ーー南薫酒(ショーチュー)を完成させる。酒が王都でも売れると、貧しかった領地へ商人と仕事が集まりはじめた。レイラは農民から紅芋を正当な値で買い、酒造に関わる大勢の雇用を生み出す。レイラとダリウスは互いの仕事と責任を尊重するうちに、誰より信頼できる相手となってゆく。
噂を聞いたマグヌスは、酒造りの権利は自分にもあると訴えたものの却下され、ならばと、粗悪な偽物を売って南薫酒の評判を落とし始めた。
※実在の地名や酒の作り方が出てきますが、あくまで創作であり、フィクションです。
※オープンチャットの『あらすじコン』にて、田中エルさまよりあらすじをいただきました。ありがとうございます。
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