あらすじ
人間領の山奥にある小さな村。
そこには、誰とも話さず、何も欲しがらず、ただ生きているだけの少女がいた。
少女の名前は――ミア。
奴隷として閉じ込められ、感情すら失っていた彼女の前に現れたのは、魔王チャックに仕える五魔将の一人、【千謀万策の魔導王】ファボスだった。
村を滅ぼしたファボスは、地下牢にいたミアを見つける。
そして彼女を縛っていたものを全て壊し、こう告げた。
「お前を縛るものはここにはもういない。好きに生きろ」
こうしてミアは、人間領を離れ、魔族領へと足を踏み入れることになる。
そこに待っていたのは、恐ろしい魔王や魔族たち。
しかし彼らは、ミアがこれまで知っていた「怖い存在」とは少し違っていた。
優しい者。
騒がしい者。
不器用な者。
眠ってばかりの者。
そんな魔族たちとの出会いを重ねる中で、ミアは少しずつ「怖い」「嬉しい」「悲しい」「優しい」という感情を知っていく。
そして彼女自身も知らない、自分の正体と「天命」に隠された秘密。
これは――
奴隷だった少女ミアが、魔族たちとの日々の中で、少しずつ心を取り戻していく物語。