あらすじ
ーー終わりの見えない暗闇の中から蠢くひも状の何かが垂れ下がっている。子供達は何も知らずそれに手を伸ばす。いや、とジャックは思った。彼らはきっとそれが何だか知っているんだ。ひもを見上げる子供達の横顔はあまりにも理知的で、何もかも心得ているように見えた。目には何らかの意志がうかがい知れたし、口元には柔らかい微笑まで浮かんでいた。やがて一本のひもが、ある子供の手のひらに触れた。次の瞬間それは子供の手にぷっくりとした黒い穴を開け、皮膚の中を這いずり回り腕を進んでいく。少年の顔は痛みに歪みながらも、彼はそれを必死に受け入れようとしていた。ジャックは何かを叫んだが、自分ではさっぱりわからなかったーー
平和な世界の裏で犠牲になっている人々。ジャックは地下シェルターのゴミ溜めで意味のない生に倦怠感を覚えていた。
そんなある日、彼の目の前に自分を壁の外へ連れ出そうというロボットがやってきた。
二人は旅をし、やがてそこへたどり着く。
しかし彼らを待ち受けていたのは、あまりにも残酷な現実だった。
救いとは何か、幸せとは何かを考えながら書きました。よろしくお願いします。