あらすじ
人生に必要なのは、勇気かもしれない。
失敗を恐れず、一歩踏み出すこと。
恥をかいても、笑われても、前へ進むこと。
そうすれば人生は変わる。
――たぶん。
田中肇、28歳。
広告代理店勤務。
企画書を三十二枚作っては、会議室の前で怖くなって引き返す男。
そんな彼が、怪しい古本屋『一歩堂』の老人から人生について教わった。
「失敗してもいい」
「笑われればいい」
「否定されればいい」
「一歩踏み出しなさい」
肇は決意する。
明日こそ、企画書を出す。
人生で初めて、一歩を踏み出す。
――その瞬間。
空から冷凍マグロが落ちてきた。
なぜ?
知らん。
誰が?
知らん。
なぜ冷凍?
知らん。
ただ一つ確かなことがある。
人生は、勇気を出せば必ず報われるほど甘くない。
一歩踏み出した先に待っているのが、
希望とは限らない。
夢とは限らない。
成功とも限らない。
冷凍マグロかもしれない。
それでも人は歩く。
たとえ頭蓋骨にヒビが入っても。
たとえ肋骨が三本折れても。
たとえ医者から「なぜ生きているのか医学的に説明できません」と言われても。
一歩は、一歩だ。
これは、
人生に一歩踏み出す勇気と、
新宿上空から降ってくる冷凍マグロについての物語である。