あらすじ
愛を知らなかった冷酷な男が、初めて欲しいと願ったのは、愛されることに慣れていない一人の女性だった。
花宮紬は、鷹宮ホールディングス事業推進管理部で働く、控えめで真面目な会社員。
ある日、社内匿名通報により、大型案件「ルミナスリゾート再生プロジェクト」の不正疑惑に、紬の作成したヒアリング記録が関わっていることが判明する。
事情確認のため呼び出された三十六階の役員フロア。
そこで紬を待っていたのは、社内で“黒曜の鷹宮”と恐れられる専務取締役・鷹宮臣だった。
冷たく、鋭く、容赦のない彼にとって、最初の紬はただの調査対象だった。
けれど、嘘が下手で、自分より誰かを庇おうとして、怖くても逃げずに立つ紬の姿が、少しずつ臣の心を乱していく。
「俺は、お前が欲しい」
人を愛することを知らなかった男の初めての執着。
愛されることに臆病な彼女を、彼は甘く、強く、逃げられないほどに求めていく。
疑いから始まった関係は、やがて恋へと変わる。
しかし、真相に近づくほど、紬は悪意の標的になっていく。
守りたいあまりに遠ざける臣。
守られるだけではなく、隣に立ちたい紬。
すれ違い、傷つき、それでも互いを選び直した先に待っているのは――
愛を知らなかった男が、たった一人の女性にすべてを捧げる、甘く濃密な溺愛だった。