あらすじ
小惑星衝突まで、あと90日。
世界中がパニックになる中、56歳の山内和彦には、それ以上に頭の痛い問題があった。
――今年、町内会長になってしまったのだ。
約120軒の古い村では、世界滅亡などお構いなし。
燃えるゴミにフライパンを入れる奴がいる。
猪が田んぼを荒らす。
猿が神社の供物を盗む。
奇祭「お獅子さん」は人口減少で担ぎ手がいない。
さらに、昔は庄屋だった「上屋敷」は没落してもプライドだけは高く、かつて水呑百姓と呼ばれた「川端」は今や村一番の成功者。
「昔からそう決まっとる!」
「何年前の話や!」
「地球がなくなるんやぞ!」
役員会は毎回大荒れ。
ところが、猪が掘り返した神社の裏山から奇妙な遺構が見つかり、猿が盗んだ鍵、寺に眠る古文書、村に残る屋号、そして廃れかけた「お獅子さん」が、すべて一つにつながり始める。
どうやら――世界を救う鍵は、このどうにもならない村にあるらしい。
世界滅亡まで90日。
はたして人類は助かるのか。
その前に、この村はまとまるのか。