あらすじ
出版社で校正・校閲の仕事をする高瀬真琴は、四か月前の事故をきっかけに、事故前後の記憶を一部失っていた。
ある夜、真琴は浴室の鏡に貼られた一枚の付箋を見つける。
そこに書かれていたのは、自分の字による、覚えのない警告だった。
事故以来、自分の記憶に自信を持てなくなっていた真琴は、最初こそ単なる記憶の抜けだと考える。しかし、日常の中で少しずつ重なっていく小さな違和感は、やがて無視できないものへと変わっていく。
信じている人の言葉と、自分の記憶。
どちらが正しいのか。
そして、忘れてしまった過去に何があったのか。
文章の中の矛盾を見つけ続けてきた一人の女性が、自分自身の生活に潜む違和感を追っていく心理サスペンス。