あらすじ
王国最大の公爵家の令嬢、アリシア・ヴェルノワールは、幼い頃から王太子エドワードの婚約者として生きてきた。
誰にでも優しく明るいエドワード王子に対して、アリシアは無口で恐れられており、誰も近づくものはいなかった。
けれど、アリシアには優しいエドワードがいる。
「君には僕がいるじゃないか」
その言葉を信じて、十年間。
そんなアリシアに初めて声をかけてくれたのが、歴史学教師のマリアだった。
「アリシア様、野菜残してるじゃないですか!」
身分も家柄も関係なく、ただ一人の生徒として接してくれるマリアと過ごすうち、アリシアは少しずつ変わっていく。
しかしある日、エドワードは偽造された書類を証拠に、アリシアとの婚約を破棄。
さらに、アリシアを庇ったマリアまで学園から追放しようとする。
「婚約破棄でも何でも好きにすればいいです」
けれど……
「先生を傷つけるというのであれば、私はあなたを許しません」
その瞬間、何も望まなかった令嬢が、初めて自分の意思で動き出した。