あらすじ
異世界転移災害の被害者である夜宮星那は、小学校時代からの幼馴染である武斗、翼、錬也と共に冒険を繰り広げ、高位の魔族である七大魔公の一角を討ち倒したことで、彼らの名は一挙にこの世界の人々に知られることになった。
それは当然魔族にも。
三魔皇
七大魔公のさらに上に存在するとされる彼らの姿は誰も見たことがない。残っているのはおとぎ話や各地の口伝のみ。
存在するかどうかも分からない。魔族が心の支えとするために信仰している太古の存在。そう言われていたはずの存在が、四人の前に現れたのだ。
三魔皇の一角、滅竜雷皇ノヴァリオンの圧倒的な力の前に倒れてしまう三人を背に、星那は精霊から与えられていた力を全て使い切り、命からがら三人を引き連れて戦場から離脱した。
しかし、星那はその戦いの中でノヴァリオンから受けた魔術により衰弱し、日に日に起きていられる時間が少なくなってきていた。
三人は魔物が滅多に現れることがないはじまりの街ビーナへ星那を預け、星那が受けた呪いとも言える魔術を解く術を探すための旅に出た。
そして、最後に目を閉じてから数年後。ようやっと目を覚ました星那であったが、どうも身体の感覚がおかしいことに気がつく。
鏡の中にいたのは、似ても似つかない自身の新たな姿。
毛先に向かうにつれて群青色に輝く髪に、月光を宿したような金色の瞳。耳は長く尖っているその姿は、これまで自分たちが幾度となく葬ってきた魔族そのもの。
その変化に混乱する星那であったが、博識な宿屋の主人は、星那のその姿を見て、魔族ではなく原初の魔法使い『アルターエルフ』の姿であると教えてくれた。
同時に、今の世界ではアルターエルフに纏わる伝承がすっかり消されているため、その容姿から魔族と疑われる可能性の方が高いということも。
魔族と似て非なる姿となってしまった星那のことを、人々は当然かつてのようには扱わなかった。
街を終われ、かつての仲間たちからもあらぬ敵意を向けられる。
それでも星那は彼らに刃を向けなかった。逃げて逃げて逃げた先で、星那は新たな仲間と出会う。
そして、その仲間と共に、自身の身体に起きた変化や秘密について知るための旅に出るのであった。