あらすじ
犬の気持ちが言葉になる翻訳機が発売された。
広告の犬たちは、飼い主に愛情を語っている。僕もお年玉をはたいて、十一歳の愛犬コロにつけてみた。
ところが、何を聞いても返事は「別に」。
声を明るくしても、そっけなさは変わらない。
学校に行けなくなって、二週間。
せめてコロには、僕が家にいてうれしいと言ってほしかった。
返品方法を調べていた僕は、設定画面に見慣れない項目を見つける。
そのスイッチは、買ったときからずっとオフになっていた。
そっけない老犬と、言葉に詰まる中学生の、すこしふしぎな日常SF。