あらすじ
婚約を解消して以来、王都の片隅にある鍛錬所へ通い続けていた侯爵令嬢カーテローゼ。
ある夜、久しぶりに舞踏会へ出席した彼女は、自分の身体に起きた思わぬ変化に気づく。重いドレスで何曲踊っても疲れない。姿勢は崩れず、足取りも軽い。
そして、その変化に気づいたのは本人だけではなかった。
「最近のカーテローゼ様、とってもお綺麗!」
美しくなった秘訣を求め、鍛錬所へ押しかけてきた令嬢たち。最初は重りひとつに悲鳴を上げていた彼女たちだったが、やがてその成果は、王妃の御前で行われる礼法披露会でも現れ始める。
気づけば噂は噂を呼び、『カーテローゼ式美容鍛錬』なるものまで一人歩きを始めて――。
筋肉は一日にしてならず。噂は一日にして広がる。まったく厄介な話である。