あらすじ
公爵令嬢リディア・アルヴェインは、王立学院の卒業舞踏会で第一王子レオナルドから突然の婚約破棄を宣言される。
身分の低い令嬢エミリアを虐めた「悪役令嬢」として断罪され、さらには王命によって廃嫡、修道院送りまで命じられるリディア。
誰もが彼女の失脚を確信する中、その場に現れたのは、これまで娘に愛情らしい愛情を見せてこなかった父、アルヴェイン公爵だった。
「私は娘を信じています。だからこそ、証拠を揃えてきました」
父が提示した証拠によって、リディアへの嫌疑は次々と覆されていく。
しかし、婚約破棄騒動の裏にあったのは、単なる恋愛沙汰ではなかった。
狙われていたのは、豊かな鉱山、広大な穀倉地帯、交易路、そして軍事力を持つアルヴェイン公爵領そのもの。
リディアを廃嫡し、公爵家を断絶させようとする陰謀が、徐々に明らかになっていく。
さらに父が何者かに毒を盛られ、倒れてしまう。
これまで父に守られる側だったリディアは、今度は公爵代理として父と家を守るために立ち上がる。
幼い頃から叩き込まれてきた法律、経営、会計、外交、軍学。
ずっと「愛されていない証拠」だと思っていた厳しい教育は、父がいつか自分がいなくなった後も、娘が誰にも人生を奪われず生きていけるようにと与えたものだった。
不器用すぎて、愛していると言えなかった父。
そんな父を、愛されていないと思い続けてきた娘。
これは、悪役令嬢と呼ばれた少女が、自らの手で名誉を取り戻し、父を守り、自分を陥れた者たちの陰謀を暴いていく物語。
そして同時に、ずっと互いを大切に思いながら、その伝え方を知らなかった父娘が、失った時間を少しずつ取り戻していく物語でもある。