あらすじ

八月、暗殺組織「クロツグミ」に所属する殺し屋・酒井は、中国マフィアのボス・チェンの襲撃に失敗し、返り討ちに遭う。逃げ込んだ河川敷で死にかけていた酒井を救ったのは、通りすがりの女子高生・佐嘉ユイラだった。だが、命を救われた酒井の安堵は束の間、チェンの冷酷な執念によって破られる。チェンは三か月もの時間と金を費やしてユイラを突き止め、見せしめとして彼女の命を奪ったのだ。 十二月に入った今朝、美濃矢町のゴミ集積所でカラスにあさられたポリ袋から、切断された右腕が発見される。美濃矢警察署の合田刑事は、絶望と心苦しさを押し殺しながら母親の美鈴へ最悪の悲報を告げる。鑑識や病院の記録、そしてDNA型鑑定により、遺体はすべてユイラのものと確定。自宅の防犯カメラには彼女が連れ去られる映像が残されていたが、警察の捜査線上に浮上したのは「外交特権」という法の手が届かない壁だった。 少女を死に追いやった自責と後悔に狂う殺し屋・酒井。正義と無力感の狭間で苦悩する刑事・合田。そして外交特権を濫用し、闇の中で高笑いする狂気のボス・チェン。少女の惨劇をきっかけに、交わるはずのなかった三者の運命が凄惨な復讐劇へと動き出す。

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カクヨム2026/09/09
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