あらすじ
異世界へ転生した元ライター・セイイチが授かったのは、「古代魔法」という一見すると役に立たない能力だった。
現代では魔道具に置き換えられ、初歩的な生活魔法として扱われている古代魔法。しかし、その起源を調べ始めたセイイチは、現在の魔法が本来の意味や機能を失っていることに気づく。
ただ周囲を照らすだけの「灯火」は、もともと死者を帰るべき場所へ導く墓守の魔法だった。汚れを落とす「清掃」は、かつて呪い、毒、さらには心の傷まで対象にした強力な術だった。
では、なぜ魔法は弱くなったのか。
人々の生活、戦争、宗教改革、技術の普及。時代の変化によって魔法は削られ、分離され、本来の役割を忘れられていった。
セイイチは図書館や古い伝承、人々の暮らしを手掛かりに、ひとつひとつの古代魔法が「殺された理由」を調べていく。これは最強の古代魔法を手に入れる物語ではない。失われた魔法の意味を読み解き、時代の中に埋もれた価値をもう一度見つけ出していく、異世界魔法ミステリー。