あらすじ
十八歳で勇者カイル・アマギと結婚し、娘のミアを産んだエレン。
しかし、家族三人の幸せな暮らしは、わずか三か月で終わりを告げた。魔王討伐を命じられたカイルが、妻と幼い娘を残して旅立ったからだ。
それから七年。
エレンは病に倒れた夫の両親を支え、薬草店を営みながら、たった一人で娘を育ててきた。
二十五歳になったある日、魔王を倒したカイルが、世界を救った英雄として帰還する。
ところが、世界最強の勇者は料理も洗濯もできず、脱いだ鎧さえ片づけない。七年間の空白などなかったように、以前と同じ夫婦へ戻れると信じていた。
そんなカイルに、エレンは離婚届を差し出す。
離婚を回避したいカイルに与えられたのは、百日間の試用期間。
カイルは夫と父親として認めてもらうため、魔王との戦いよりも難しい家事と子育てに挑み始める。
そんな夫の失敗に振り回されながら、エレンもまた、カイルと別れて自分の人生を歩むのか、それとももう一度彼を信じるのか、選択を迫られていく。
世界を救う一度の偉業より、愛する人を大切にする毎日のほうが難しい。
これは待つだけの人生を終わらせたい妻が、自分自身の幸せを選び直す物語。