あらすじ

この物語は、伝説の花を咲かせようとした一人の水景士が、失われた湖と、その土地に残された記憶へ辿り着くまでのお話。 「お騒がせ皇女」サージェッツァが、大聖者ゆかりの聖蹟を掘り返し、野外劇場を造ろうとしていました。 その水景設計を任されたのは、皇女の支援を受ける若き水景士ニンファ・エア。 泥も、水草も、魚も、蛙も。 すべてを水辺の一部として扱う彼女の仕事を、サージェッツァは面白がっていました。 そんな工事の途中、地中から一つの青銅の聖櫃が発見されます。 中に残されていたのは、一粒の種と、 「湖の青き花、その最後の種」 という古い言葉。 それは、二千五百年前の大聖者にまつわる伝説の花――青睡蓮の種かもしれませんでした。 けれど、その種が本当に生きているのか。 芽を出すのか。 そもそも、伝承に語られる青睡蓮とはどんな花だったのか。 誰にも分かりません。 「芽が出ると思うか」 皇女に問われたニンファは、答えます。 「分かりません」 するとサージェッツァは言いました。 「そうか。なら、分からないと言える者に調べさせよう」 清らかな水。 泥。 水草。 小魚。 古い写本。 忘れられた水路。 湖畔に残る昔の歌。 一粒の種を追ううちに、ニンファはやがて、伝説の花だけではなく、その花が生きていた場所そのものへ目を向けることになります。 青睡蓮は、なぜ姿を消したのか。 大聖者の伝承は、何を伝え残してきたのか。 そして、人は失われたものを、どこまで取り戻すことができるのか。 水景士ニンファ・エアと、お騒がせ皇女サージェッツァが辿る、青睡蓮と湖をめぐる物語。 前編・後編+サージェッツァ皇女視点の後日談、全3話完結。 ――記すのは、わたくし、ラトゥナ・ケートでございます。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/09/09
  • 現在の作品二千五百年目の青睡蓮~お騒がせ皇女は花を摘ませない~