あらすじ

夜の秋雨が上がった翌日、外は暑く、地面に溶けた雨水が太陽の熱でぐずぐずと噴き上がってきている。 「暑い」  誰もいない軒先での呟きは低い空に消えていった。重々しい積雲が立ち込め、また一雨きそうな気配。傘を持っていくべきか考えたが、結局両手が空いたまま出かけることにした。  少し歩くと雲の影に入り、夏の名残がすっと消える。  肌に触れる軽い風が、体の熱を奪っていく。気がつけば街路樹の緑は薄れ、少しずつ若さが、生命の力強さが落ち着きを見せ始めていた。 「一と月経てば……」  二の句を噤み、立ち止まる。

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カクヨム
カクヨム2026/09/08
  • 現在の作品残夏の雨