あらすじ
この世界では、人間の感情に「価値」がある。
喜び、怒り、悲しみ、恐怖。
感情はエネルギーとなり、都市を動かし、特殊な能力を生み、そして――金になる。
高校生のアベルもまた、感情を力へ変える能力者だった。
人の感情を感じ取り、それを自分の力として受け取る。
親友のレンと、いつも通りの学校生活を送っていたアベルだったが、ある日、学校で一人の生徒が突然暴走する。
その原因は、感情能力の暴走ではなかった。
誰かが、他人の感情を操っていた。
調べるうちに浮かび上がってきたのは、人間の感情を売買する謎の犯罪組織――エモーショナルマーケット。
なぜ彼らは、人間の感情を集めているのか。
なぜ三百年前の地下施設が、今も動き続けているのか。
そして――
アベルと同じ名前を持つ、三百年前の王とは何者なのか。
やがてアベルたちは、怒りを炎へ変える少女・レナ、未来を見る少年・ロン、謎の少女・四情など、さまざまな能力者たちと出会っていく。
それぞれの力。
それぞれの過去。
そして、それぞれが抱える感情。
仲間たちと事件を追う中で、アベルは少しずつ気づいていく。
この世界で当たり前だと思っていた「感情」というものが――
何かに利用されている。
そして、その裏側には三百年前から続く、世界そのものを揺るがす秘密が隠されている。
感情は、力なのか。
金なのか。
それとも――
人間が人間であるために必要なものなのか。
感情を巡る戦いが、今始まる。