あらすじ
婚約破棄を告げられた瞬間、コリンナは救われた。
十年間、彼女は悪役令嬢の役目を演じてきた。
誰も傷つけず、舞台を降りるためだけに生きてきた。
すべてを捨て、彼女は名もなき森へ向かう。
欲しかったのは、誰の期待も届かない暮らしだった。
だが嵐の夜、その静かな庭に黒竜が墜落する。
黒竜のそばには、血まみれの竜騎士が倒れていた。
彼もまた、国に役目を押しつけられた男だった。
二人は小さな小屋で、奇妙な生活を始める。
温かなスープと薪の音が、二人の傷をほどいていく。
しかし、捨てたはずの過去も静かに動き始める。
役目を失った二人は、自分の人生を選べるのだろうか。