あらすじ
出張中の恋人・榊原蓮司を少し試してみたくなり、Instagramに捨てアカウントを作った。
「今、一人? 今夜、少し飲まない?」
返事はすぐに来た。
「悪いけど、そういうの興味ない。俺には婚約者がいるから」
婚約者、という言葉を見た瞬間、少しだけ嬉しくなった。
昨日、いつ結婚してくれるのかと聞いた時には、「会社もようやく軌道に乗ったばかりなんだから、そんなに急がなくてもいいだろ」と言っていたくせに。
けれど、次のメッセージを読んだ瞬間、指が止まった。
「五年間海外にいた彼女が、明日帰ってくる」
少し間を置いて、もう一通届いた。
「三日後に結婚式をするんだ」
この五年間、私はずっと蓮司のそばにいた。
しばらくすると、一枚のウェディングフォトが送られてきた。
白いドレス姿で蓮司に寄り添っていたのは、五年前に彼を置いて海外へ行った初恋の人――白河紗月だった。