あらすじ
大正末期、帝都。花山院家の長女・紗千は、亡き母の忘れ形見であるタティングレースの手仕事だけを心の支えに、継母と異母妹に虐げられる日々を送っていた。ある日、借金のカタとして「よそ者の悪魔」と恐れられる実業家・御影類のもとへ差し出されることになった紗千。しかし彼が提示したのは、想像を絶する破格の条件と、誰よりも真摯な愛だった。「僕と契約結婚してください」――交際0日で始まった結婚生活の中で、紗千は自分を虐げてきた者たちに向き合う強さを、そして自分の手仕事の価値を、少しずつ取り戻していく。冷徹な仮面の下に隠された類の不器用な溺愛と、凍りついていた紗千の心が解けていく先に待つのは幸せな生活だった。これは「契約結婚×身分差溺愛」の大正ロマン系TL小説。