あらすじ
高校三年の春、柚木栞は同じクラスの委員長・氷室澪に
「あなたのことを観察している」
と告げられる。
整った顔立ちと学年首位の頭脳を持ちながら、他人に一切の興味を示さない氷室の突然の宣言に困惑する柚木。
しかし氷室の「観察」は日を追うごとにエスカレートしていく。
「今日の栞は、三限目の体育の後私の水筒を盗み見したわね」
「放課後、本屋でどんな本の背表紙を触ったかまで全部覚えている」
カバンに仕込まれたGPS、スマホに同期された位置情報毎晩かかってくる無言電話、そして家の前に佇む影。
常軌を逸した愛の告白を前に逃げ出そうとする柚木だったが、彼女の妹の存在を盾にゆっくりと氷室の掌中に閉じ込められていく。
「逃げないで、柚木。君は私の光で私の呼吸で、私だけのものでしょう?」
凍てつくほど美しい瞳が今日も私を逃さない。
女だからダメなの? ではなく、あなたが女だから私は壊してしまいたいほど愛しい。
誰にも言えない閉鎖的な狂愛が硝子のように壊れやすく、それでいて鮮やかな恋の結末とは?