あらすじ
魔法が人々の生活を支えるファテラス王国。
その近くに広がる深い森には、どんな願いでも叶えるという一人の魔女が暮らしている。
名はゼラ。
人間嫌いで、皮肉屋で、願いを叶える代わりに必ず“対価”を要求する、恐ろしい魔女――。
……と、噂されている。
しかし、その実態は。
家事はしない。料理もしない。部屋は散らかす。
ティータイムを邪魔されれば不機嫌になり、二人の弟子が喧嘩を始めれば露骨に面倒くさそうな顔をする。
そんな魔女の暮らす“集いの家”には、今日も訳ありの人々がやってくる。
弟を探す青年。
騒がしい二人の弟子。
世界を旅する風変わりな友人。
そして、普通の魔法では叶えられない願いを抱えた依頼人たち。
ゼラなら、その願いを叶えられる。
ただし――魔法には必ず、それ相応の“対価”が必要だった。
記憶。感情。大切なもの。
願いのために、人は何を失えるのか。
そして何かを失っても、人はその先をどう生きていくのか。
これは、人間嫌いの魔女と訳ありの人々が集う家の、少し騒がしい日々の物語。
願いも、対価も、笑った朝も。
すべては、生きてきた証なのだから。
※この作品は、『カクヨム』『小説家になろう』に掲載しています。