あらすじ
第一王子の婚約者である公爵令嬢カリーナは、ある日突然、前世の記憶を取り戻した。
そして気づく。
ここは前世で愛読していた、死に戻り復讐小説の世界。
しかも自分は、婚約者と親友に嵌められ、一度処刑されたあと時間を遡り、壮絶な復讐を始める主人公だと。
――いや、一回殺される必要ある?
断頭台の痛みを味わい、その後何年も復讐に人生を費やすなんて、どう考えても面倒くさい。
しかも断罪イベントは、明日。
ならば殺される前に逃げて、今すぐ幸せになればいい!
カリーナは自分を陥れる者たちも、復讐劇そのものもすべて放り出し、原作では復讐の相棒になるはずだった男へ、一通の手紙だけを残して、海を越えた東の大陸へ逃亡する。
そして三年後。
公爵令嬢の地位も名前も捨てた彼女は、港町の大衆食堂で美味しいご飯に囲まれながら、念願だった自由な人生を満喫していた。
そんなある日、店に毎日のように通う無愛想な黒髪の青年から、思いもよらない話を聞かされる。
どうやら復讐劇からさっさと降りたカリーナの代わりに、彼女が残したあの手紙が、海の向こうですべてを動かしていたらしく――。