あらすじ
灯台の灯を消してまわる旅を、ボクはしている。
となりを浮いているのは、チュリという提灯のかたちをした機械だ。
ボクより小さくて、ボクより多くのことを知っている。どうしてこの旅が始まったのか、チュリは教えてくれない。
最初にたどり着いたのは、記憶を質に入れる町だった。
大切な思い出をあずけてお金を借りる。期限までに返せなければ、その記憶に宿った灯は落ちる。町の人はそれを、悪いことだとは言わなかった。
誰も悪くないまま、何かが失われていく。
そういう町を、ボクらはひとつずつ通り過ぎていく。
静かな、灯を消す旅の話。