あらすじ
俺には、生まれた時から一つの記憶がある。
晴れた空。
どこまでも広がる、大陸のような土地。
黒ではない巨大な車。
そして、妻と二人の幼い子供。
けれど俺は、その三人を知らない。
記憶の中の俺自身も、今とはまったく違う外国人の顔をしている。
名前も、場所も、いつの時代なのかも分からない。
ただ、車へ乗り込む瞬間に抱いていた感情だけは、今でもはっきり残っている。
悲しさ。心配。覚悟。そして希望。
――次は、絶対に守らないと。
なぜ「次」なのか。
何を守れなかったのか。
数十年間変わることのなかった謎の記憶。
その正体を調べ始めた時、現実の世界と記憶が少しずつ繋がり始める。