あらすじ
壊れた金属に触れると、壊れる直前の十秒ほどの音が聞こえる。
十八歳のアサは、その生まれつきの特技で、古道具と遺品の相談を受け始めた。
水路の町で地図を描くミオが持ち込んだのは、四年前の工場火災で亡くなった姉の時計。
鐘と水音、途切れた声。仕事人として頼られたかったアサは、聞き取れなかった言葉を、聞き取れたと伝えてしまう。
時計に残った音と、舟の通った道。
修理店の父娘とともに調べるほど、あの日の記録と、アサの説明が食い違い始める。
死者の気持ちを言い当てることはできなくても、生きている人に返せるものはあるのか。
手仕事と食卓のある町を舞台に、ひとつの嘘から始まる謎解きと、それぞれの再出発を描くファンタジー。
全16話。完結まで執筆済み。