あらすじ

廃屋は、何人もの霊能力者を退け、祓われることなく時代だけを越えてきた。ある日、その家で消息を絶った調査員の捜索依頼を受けた霊能力者・間宮響子は、一人で現地へ向かう。 家へ足を踏み入れた瞬間、響子は異変に気付く。霊がいるのではない。家そのものが巨大な霊体となり、訪れた者の「死後の時間」を食べ続けているのだ。廊下は呼吸し、壁は記憶を咀嚼し、二階では誰もいない食卓から笑い声が聞こえる。 強大な霊能力をもってしても、この家には核となる怨霊が存在しない。家族全員の死が幾重にも澱となって積み重なり、一軒の家という形を借りた"生きた呪い"へ変質していたのである。 響子は家を滅ぼす最後の方法を見つけるが、その代償は「この家を知った者が、新しい家になること」だった。 数日後、家は跡形もなく消え去る。しかし依頼を終えた響子は、自宅の玄関で小さな子どもの声を聞く。「……ただいま。」その日以来、響子の家では、夜中になると誰も座っていない椅子が一脚ずつ増えていく。

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カクヨム2026/09/08
  • 現在の作品最後の来訪者-間宮響子-