あらすじ
人とは少し違う仕方で世界を受け取り、音楽の構造とそこに宿る感情を誰よりも深く見通す少年、東 律人(あずま りひと)。
人の気持ちや世の中の「当たり前」が、誰にでも同じように理解できるわけではない。
痛みもまた、他人に代わってもらうことはできない。
それでも律人は音楽を奏で、歌い、自らの苦しみや問いを音楽に託していく。
彼の音楽に触れた人々もまた、それぞれの人生に刻まれた記憶と向き合っていく。
音楽は、失われたものを取り戻してはくれない。
傷を消してくれるわけでもない。
それでも、誰かから受け取った歌や祈りや記憶は、音楽という器に宿り、時を越えて次の誰かへ渡っていく。
これは、痛みを抱えながら音楽を紡いだひとりの少年と、彼の「声」に巡り逢った人々の記録。
誰かの記憶や祈りを音楽の中で受け継いでいく、連作短編(中編?)集。
※コロナ禍の存在しない世界です。
※各話の最後に用語解説を入れています。楽譜は《きらきら星》が限度の「聴き専」筆者が書いた解説ですので、どうぞ気楽にお読みください。