あらすじ

「王妃になるなら、僕の恋くらい許してくれ。側室なら、歴代の王にもいた」 夜会の途中で姿を消し、子爵令嬢のリリアーヌ様と庭で手を取り合っていた王太子は、そう言った。 私はロザムンデ、公爵家の娘で二十歳。王太子妃教育を六年受けてきた。歴代にいた。それなら、規定がある。 「承知しました。では、正式に側室としてお迎えします。手続きは王妃教育で習いました」 側室の規定は五条。住まいは王妃の宮の隣室。外出には王妃の許可。手当は王妃が査定し、公の席は王妃の後ろ。王太子との面会は、王妃の日程表に載せる。規定を書いた王太后様は、私の部屋で菓子を食べながら「よく覚えていたわね」と笑っておられる。 翌朝、リリアーヌ様が青い顔で私の部屋に来た。「外出の許可証を、いただきに」 王太子は、恋人に会うのに婚約者の日程表を見なくてはならなくなった。 規定の副署には、宮内卿の王弟殿下が毎朝いらっしゃる。「今日の許可証は、これで全部か」。全部ではない。私の話を聞いていかれるぶんが、いつも残る。 側室の作法は、王妃教育で習いましたわ。 五日目、リリアーヌ様が「私、側室には向いていません」と言い、王太子に「殿下、お相手がいなくなりました。側室の宮は、空けておきますわ」と申し上げました。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/09/08
  • 現在の作品「王妃になるなら、僕の恋くらい許してくれ」と王太子に言われましたので、正式に側室としてお迎えいたします~お相手の令嬢が毎朝、私の許可を取りに来るのですが~