あらすじ
初めまして。レイア・セレーナと申します。
私の仕事は、来訪者――皆様がよく知る「異世界に召喚された、あの特別な人たち」を調査し、時に排除することです。
異世界版SCP財団、と言えば伝わるでしょうか。この物語では、奇数章で今の私が向き合う、一人ひとりの来訪者と、彼らを取り巻く社会の姿を。偶数章では、まだ何も知らなかった若い頃の私が、情報局員として成長していく姿を、交互に描いていきます。
そこに映るのは、英雄と災害。憧れと現実。個人と社会。そのどちらでもあり、どちらでもない、矛盾を抱えたまま境界線の上に立つ人たちの姿です。
一つだけ、先にお伝えしておきたいことがあります。物語の中で、皆様が愛してきたキャラクターを想起させる人物を、深く傷つけてしまう展開があります。すべてを救えるような、優しいだけの話でもありません。何卒、ご了承ください。
それでも――もし読み終えた後、何者でもなかった頃のご自身を、少しでも嫌いにならないでいただけたなら。それだけで、私は嬉しく思います。