あらすじ
六百年前――神が死んだ。
なぜ死んだのか。
誰が殺したのか。
その答えを知る者は、もうどこにもいない。
ただ一つ確かなのは、神の死を境に世界が変わったこと。
人間の一部に、その者の願い、恐怖、執着、生き方によって姿を変える不可思議な力――《異戒》が発現するようになった。
そして神は死の間際、この世界に《七つの門》を遺したという。
七つすべてを越えた先にあるとされる禁断の地、《神骸域》。
そこへ辿り着いた者は、
「己が望む《異戒》を授けられる」。
そんな伝説を追い、これまで数え切れないほどの人間が七つの門を探し、そして消えていった。
そんな世界で生きる一人の少年には、かつて失踪した兄がいた。
行方が分からなくなってから、長い年月が過ぎていた。
生きているのか。
死んでいるのか。
それすら分からない。
やがて少年自身も、兄のいない日常を生きるようになっていた。
――一枚の写真を見つけるまでは。
そこには、失踪したはずの兄が写っていた。
撮影されたのは――兄が姿を消した半年後。
そして写真の裏には、見覚えのない言葉が残されていた。
『第七門・先遣調査隊』
なぜ兄は、失踪した後も生きていたのか。
なぜ《七つの門》を追っていたのか。
そして兄は――いったい、どんな《異戒》を望んでいたのか。
答えを追うため、少年は未知を探し求める者――《シーカー》の世界へ足を踏み入れる。
世界各地に眠る遺跡。
六百年前の歴史を刻んだ石板。
失われた古代文字。
未知の異常生物。
それぞれの願いを抱えて《神骸域》を目指す者たち。
そして、少しずつ食い違い始める「神の死」の歴史。
兄の足跡を追うだけだった旅は、やがて六百年間眠り続けた世界の真実へと繋がっていく。
神はなぜ死んだのか。
なぜ《異戒》を遺したのか。
そして――
なぜ、七つの門を遺したのか。
これは、神に選ばれた英雄の物語ではない。
神が最期に人類へ託したものを探す、長い旅の物語。