あらすじ
言葉を持たず、火を持たず、ただ日差しと影だけを知る獣たちがいた。
群れも王もなく、大地に散らばって生きる蜥蜴たち――彼らの世界に、ある朝、空が裂けた。
墜ちてきたのは、死をもたらす星ではなかった。
静かな光の雨が獣たちの体を包んだとき、鱗はそのままに、初めて「言葉」と「仲間」という意味が芽生える。
名を呼び合い、寄り添うことを覚えた蜥蜴たち。
獣であることをやめずに、人であることを始めた彼らが、焼け跡の上に石を積み、道を通し、屋根を架けていく――これは、ひとつの国が生まれ、そこに生きる者たちの物語。