あらすじ
六十代まで軍人として生き、数多くの兵士を鍛えてきた元教官・黒田正人。
恋もした。結婚もした。離婚も経験した。
軍人としては多くのものを残したが、一人の男としての人生には、いくつもの後悔が残っていた。
退役後、そんな彼が偶然ハマったのは、魔法と巨大人型兵器《魔導機兵》、そして数多くのヒロインとのルートが存在するゲーム――
『Venus Protocol』
やがて人生の終わりを迎えた正人は、なぜかそのゲーム世界で目を覚ます。
しかも転生したのは主人公ではない。
魔法の才能なし。
魔導機兵の適性も最低。
物語序盤で死ぬ運命にある無能キャラ――レンジロウ・キサラギだった。
だが、彼にはゲームの知識だけではなく、前世で培った数十年の軍人・教官としての経験がある。
さらに、本来のゲームには存在しなかった謎の古代機構《ヴィーナス》と出会ったことで、彼の運命は大きく動き始める。
心優しい少女リオラ。
誇り高き天才パイロット、セラフィーヌ。
王女、魔法騎士、技術者、敵国のエース――そして、本来なら攻略対象ですらなかった少女たち。
レンジロウは彼女たちを鍛え、共に戦い、絆を深めながら、自分自身も最弱から這い上がっていく。
前世では、仕事を優先するあまり多くのものを失った。
ならば二度目の人生では――もう何も諦めない。
生き残る。
最強の部隊を作る。
そして、好きになった女たちとの未来も全部手に入れる。
だが、レンジロウが本来の物語を変えるたび、ゲームの知識は少しずつ役に立たなくなっていく。
そしてある日、《ヴィーナス》が彼に告げた。
《ORIGINAL ROUTE LOST》
《VENUS PROTOCOL――START》
これは、かつて人生を仕事に捧げた老兵が、魔法と巨大兵器の世界で二度目の青春を始める物語。