あらすじ
十五歳になると、誰もが一つの職業を授かる世界。
元冒険者の両親を持つ少年ルークが授かったのは、冒険者には不向きとされる職業【魔物使い】だった。
しかし、ルークは落ち込まなかった。
彼には前世の記憶がある。
かつて育成ゲームに人生を費やすほど、「育てること」が大好きだったのだ。
そんなルークが森で出会ったのは、冒険者に傷つけられ、瀕死のまま捨て置かれた一匹のスライム。
どこにでもいる。
弱くて、臆病で、誰も見向きもしない最弱の魔物。
ルークがその命を救ったことで、二人の間に本来の魔物使いとは異なる【共生契約】が結ばれる。
そして契約したルークの目に、誰も知らない情報が映し出された。
【進化候補:12】
ただのスライムに、十二もの進化先。
しかも進化に必要なのは、レベルだけではなかった。
スキル、食べたもの、戦い方、経験、そして魔物自身の行動。
前世で培った育成ゲーマーとしての思考と、遠い先祖が遺した『魔物観察録』を手掛かりに、ルークは誰も知らない魔物の進化条件を一つずつ解き明かしていく。
臆病なスライム。
人間を憎む孤独なウルフ。
やがて出会う、さまざまな魔物たち。
最初は弱かった彼らも、ルークと共に戦い、学び、進化し、いつしか伝説や神話でしか語られない存在へと成長していく。
これは、最強の力を与えられた少年の物語ではない。
魔物が大好きな一人の少年が、誰も見向きもしなかった魔物たちと出会い、その可能性を育てていく物語。
そしていつしかルークは知ることになる。
この世界で当たり前とされてきた「進化」には、誰も知らない秘密が隠されていることを――。