あらすじ
勤め先の社長に夜逃げされ、突然無職になった青年・砂子原末葉。
行く当てもなく公園をぶらついていた彼は、そこで一本の立派な枝を拾う。
その枝には、山の神「イワミネヒメ」が宿っていた。
女神の指示で神社まで届けるが、神社からは受け取りを拒否され、仕方なく持ち帰ることに。
ところがその矢先、人間の魂を喰らう「怪異」と遭遇する。
逃げれば助かる。
それでも目の前の人間を見捨てられなかった末葉は依り代を武器に、怪異を祓う。
しかし、神の力はタダではなかった。
成り行きから怪異退治をすることになった末葉は、見るからにヤクザな祓い屋・悪海に弟子入りし、巨大な拷問器具を振り回す白船桃子、お淑やかな毒舌家北刑部蒔奈ら、癖の強い祓い屋たちと関わっていく。
主な登場人物
主な登場人物
砂子原末葉(すなごはら・うらば)
勤め先の社長に夜逃げされ、無職になった主人公。
気弱で流されやすく、大きな夢や欲もない。一方で、目の前で困っている人間は、たとえ夜逃げした社長でも見捨てることができない。
イワミネヒメの声が唯一聞こえる。
イワミネヒメ
山の神。
神事の失敗によって一本の枝へ中途半端に分霊された。
神様らしい威厳よりも、口の悪さとワガママが目立つ現代的な女神。
末葉に力を貸す相棒であり、彼を怪異退治へ引きずり込んだ張本人でもある。
悪海(あくかい)
末葉が弟子入りするフリーの祓い屋。
スキンヘッドの巨漢で、喪服を着ればヤクザにしか見えない。
怪異退治の腕は本物だが、霊能力者として際どい商売も行う、単純な善悪では測れない人物。
神聖な力を使う末葉とは対照的に、自らに「不浄」をまとわせて怪異を殴る。
北刑部蒔奈(きたぎょうぶ・まきな)
祓い屋の家系に生まれた若い祓い屋。
口下手で人付き合いが苦手だが、怪異との戦闘能力は高い。
破魔弓と破魔矢を用いた遠距離戦を得意とする。
祓い屋たちを束ねる祖母・北刑部恒河沙を強く憎んでいる。
白船桃子(しらふね・ももこ)
蒔奈とコンビを組む祓い屋。
金髪、黒マスク、パンクファッションという派手な外見に反して、周囲への気遣いに長けた常識人。
怨念の染みついた巨大な拷問器具「閻魔」を振り回して怪異と戦う。
舞台
現代日本。福島県
この世界には、人間の魂を喰らう「怪異」が実在する。
しかし怪異は霊感を持つ一部の人間にしか見えないため、一般社会では今もオカルトの一種として扱われている。
かつて陰陽師によって構築された巨大な結界が怪異の世界と現世を隔てており、各地の神社や寺は、神事によって神の力を借りながら結界を維持している。
それでも結界を抜けて現れる怪異を処理するのが「祓い屋」。
国から予算を受け、警察などとも連携する半公的な存在だが、怪異そのものが世間に認知されていないため必要性を理解されにくく、現在は深刻な人手不足と予算不足に陥っている。