あらすじ
■ジャンル・主な読者価値
・異世界ダンジョン×魔導具修理×旧文明オートマタ×主人公無双×姉妹ヒロイン収集。
・世間では「ガラクタに時間をかける底辺修理屋」、実際は旧文明機構まで直せる規格外の主人公。
・敵の構造や設計目的を読み、「壊す」のではなく「本来の機能を利用する」修理屋ならではの攻略。
・千リルの金属骨格が美しい高性能メイドへ、十メートルの異形が陽気なギャル姉へ戻る、修理によるBefore→Afterの快感。
・クールなマオ、距離感ゼロのサンなど、用途・能力・性格の異なる八姉妹。直すたびに新たな美人オートマタと能力、関係性が増えていく収集性。
・高性能な姉妹機からトーマがマスターとして無条件に肯定され、好意を向けられる男性向けの読者報酬。
・姉妹が増えることで、普段は無表情なマオが嫉妬してトーマの服をつまむなど、既存ヒロインの新たな可愛さも引き出される。
・A級探索者やギルドから、底辺扱いされていたトーマの異常な修理技術が正式に認められていく逆転。
・姉妹機を狙う黒い制御機構、マオを起動した謎の部品、失われた姉妹機など、「直す」ほど旧文明の秘密へ近づいていく長期フック。
■ログライン
壊れた魔導具ばかりを直すため「底辺修理屋」と呼ばれる青年・トーマは、価値なしと鑑定された旧文明製の金属骨格を千リルで買い取る。修理すると骨格は、美しい高性能オートマタ・マオとして復活。さらに彼女には七体の姉妹機が存在し、そのすべてが正常ではないと判明する。
未知の魔導機構に目がないトーマは、自ら姉妹を探して直すことを決意。修理技術を戦闘や迷宮攻略にも転用しながら姉妹たちを取り戻し、彼女たちを狙う何者かと旧文明の秘密へ近づいていく魔導オートマタ修理ファンタジー。
■追いかけたくなるメインキャラクター
・トーマ――ガラクタを直し続けた結果、旧文明機構まで攻略できる「底辺修理屋」
二十歳前後の青年。迷宮都市で小さな魔導具修理店を営む。
壊れた魔導具を安く引き取り、何日もかけて修理するため、「その時間で新しい魔導具を拾った方が稼げる」と探索者たちから底辺扱いされている。実際、値付けも安く生活は貧しい。
しかし本人は、見たことのない回路や用途不明の機構ほど喜ぶ生粋の魔導具オタク。他人が捨てる物まで直し続けた結果、構造、駆動、接合部、代替部材を瞬時に読む規格外の技術を身につけた。
その知識は戦闘にも通用する。無限に現れる警備機なら制御システムを止め、暴走した整備用オートマタなら「大型設備を修理する」という本来の機能を利用して攻略する。
A級区域への特別許可を得ても気にするのは「壊れた魔導具を拾って帰れるか」。地位ではなく「見たい」「直したい」という欲望が物語を動かす。
難題を前にした時の口癖は「これは骨が折れそうだ」。
・マオ――姉妹最大出力を持つ、クールで過剰有能なマスター肯定メイド
旧文明製オートマタ第八号機。発見時は金属骨格だけだったが、トーマの修理と謎の起動部品によって復活する。
成人女性型の美しい外見で、髪は中央から黒と白に分かれたボブ。無表情に近い高性能メイドだが、マスターの要望を先回りしすぎる《過剰有能ポンコツ》。
「戦闘は苦手です」と言いながら、救助を頼まれると巨大ゴーレムごと消し飛ばす。最大戦闘出力は姉妹中一位だが、出力制御精度は八位。
当初はシステム上トーマをマスターと認識していたが、次第に本人への感情が育つ。距離感の近いサンがトーマへ抱きつくと、無言で彼の服の裾をつまむ。
機体復元率は76.4%から始まり、修理のたびに機能や過去の情報が解放されていく。
・サン――妹とマスターが大好きな、ギャル風大型設備整備オートマタ
旧文明製オートマタ第三号機。大型魔導機関や基幹設備の整備担当。
黒い制御機構に侵食され、周囲の機械を取り込んだ十メートル級の異形となっていたが、トーマに修復されて本来の姿へ戻る。
明るい髪の長身で豊満な成人女性型。一人称は「あちし」。復活直後からマオを抱きしめる陽気な姉で、トーマにも「あちしのマスターはこの人だもんねー! 運命感じちゃったー!」と無条件に懐く。
高い整備能力を持つ一方、改善できる物を見るとやりすぎるタイプ。加入翌日にはトーマの質素な作業場を、可動アームや収納だらけの過剰な高機能設備へ改造してしまう。
マオとは正反対のキャラクターを置くことで、「残りの姉妹はどんな姿・能力・性格なのか」という期待を作る。
・ミレア――底辺修理屋の異常さを最初に認めるA級探索者
二十代半ばの女性A級探索者。片手剣と盾を使う、落ち着いた実務家。
第一話のゴーレム戦でトーマの構造解析能力を目撃し、第二十九層の正式調査隊へ推薦する。
第三号機戦でもA級として前線を支える一方、攻略法を生み出したトーマを「少なくともあの場所では、私より必要だった」とギルドへ評価する。
常識的で有能だからこそ、トーマや姉妹機の規格外ぶりを客観的に示せる外部評価者。ギルドからはマオたちの監視も依頼されている。
■物語のアイデアと、それが生む面白さ
本作の最大の魅力は、まず旧文明製オートマタ・マオそのものにある。
千リルの価値しかない金属骨格だったものをトーマが修理すると、美しく、家事も探索も戦闘もこなす超高性能メイドへ変わる。しかし本人は「戦闘は苦手です」と言いながら巨大ゴーレムを消し飛ばし、マスターの要望を先回りしすぎて大量の荷物を持ち込むなど、《クールな高性能メイド》と《過剰有能ポンコツ》を併せ持つ。
さらに物語序盤で、マオには七体の姉妹機が存在すると判明する。
姉妹は全員、外見、性格、能力、設計目的が異なる。第二の加入ヒロインとなる第三号機・サンは、クールなマオとは正反対の、明るく距離感の近いギャル風の姉。復活直後からトーマへ抱きつき、「運命感じちゃったー!」と無条件にマスター認定する。
そして重要なのは、新しい姉妹が増えるほど、単純にヒロインの人数が増えるだけではないことである。
サンが平然とトーマへ抱きつくようになると、それまで感情表現の薄かったマオが、何も言わずトーマの服の裾をつまむようになる。
つまり新ヒロインの加入が、主人公との新しい関係を作ると同時に、既存ヒロインの新しい表情まで引き出していく。
今後も姉妹ごとにトーマとの距離感や好意の示し方を変え、姉妹同士の関係も増やしていくことで、読者は「次はどんな姉が出てくるのか」「誰が一番好きか」「この姉が加わるとマオはどう変わるのか」を楽しめる。
一体ずつ直すたびに、キャラクター、能力、日常、ラブコメの組み合わせそのものが増えていくことが、本作の大きな連載エンジンである。
その姉妹をどう取り戻すかに、修理屋主人公ならではの攻略が加わる。
一般の探索者には「破壊すべき敵」と見える暴走機体も、トーマには「本来の機能を失った修理対象」に見える。
第三号機戦では、黒い外装を剥がしても整備機能によって即座に再構築されるため、トーマは彼女が《大型設備整備型》であることを逆手に取る。工房の基幹設備をあえて破壊し、本来の「大型設備を修理する」という命令へ処理能力を割かせることで外装再生を遅らせ、その隙に内部の本来の制御系を修復する。
このように姉妹ごとの設計目的や壊れ方そのものが攻略法になるため、単純な戦闘力のインフレに頼らず、一体ごとに異なる知略戦を作ることができる。
そして戦闘に勝って終わりではない。
異形だった機体を直し、本来の美しい姿と人格を取り戻した瞬間から、そのキャラクターが日常へ加わる。
「どう倒すか」ではなく、「どう直すか」、そして「直したら誰が仲間になるのか」。
この二重の期待によって、読者に次の姉妹機を追いかけさせる。
■舞台設定・能力ルール
迷宮都市を中心に、探索者ギルド、ランク制度、鑑定所、魔導具修理店などが存在するファンタジー世界。
迷宮には現代とは規格の異なる《旧文明区画》が残されており、旧文明製魔導具は希少だが、故障すれば修復不能として捨てられることも多い。
トーマの修理能力は特殊能力ではなく、長年さまざまな魔導具を直し続けた経験による技能。機械系の敵や設備ほど、その知識を戦闘・探索にも応用できる。
マオたち八姉妹は、用途も内部構造も異なる旧文明製の特別なオートマタ。
マオには《機体復元率》があり、第一話の76.4%から第二話で80.0%へ上昇。修理が進むほど失われた機能や記録が戻る。
第三号機・サンは大型設備整備型で、姉妹機の保守状態を確認する通信機能も持つ。
姉妹機へ侵入していた黒い部品は、彼女たちの制御規格へ割り込むことを前提に設計されたもの。誰かが意図的に姉妹機を狙っている可能性がある。
第五話では、トーマが《旧文明機構特別探索許可》を取得。探索者ランク自体は低いままだが、旧文明調査に限りA級指定区域まで立ち入れるようになる。
■第1巻・全5話のあらすじ
若い探索者ニックが旧文明区画から持ち帰った人型の金属骨格は、鑑定所で「現行技術では修復不能、価値なし」と判断される。
ニックはそれを、壊れた魔導具ばかり直すことで「底辺修理屋」と呼ばれるトーマへ千リルで売却。しかしトーマは見たことのない回路に目を輝かせ、喜んで買い取る。
トーマが修理し、工房に眠っていた謎の旧文明部品を組み込むと、骨格は美しい女性型オートマタとして復活。第八号機だった彼女は、トーマが幼い頃に初めて修理した猫型魔導玩具にちなみ《マオ》と名乗る。
直後、ギルドを巨大ゴーレムが襲撃。トーマは修理経験と構造解析でゴーレムを攻略し、マオも「救助」を頼まれて敵を巨大砲撃で消し飛ばす。
戦闘後、壊れなかった黒い部品からマオと共通する技術が見つかり、彼女には七体の姉妹機が存在することも判明する。
トーマは黒い部品を加工してマオを追加修理し、機体復元率を76.4%から80.0%へ上げる。そこで第三号機の反応が第二十九層から発信され、黒い部品と同様の干渉も確認される。
A級探索者ミレアの推薦で正式調査隊へ参加したトーマは、途中で何十年も停止していた旧文明昇降機を修復。マオ、ミレアと先行して第二十九層へ降りる。
そこで何者かに非常警備を起動され、大量の警備機に襲われる。マオが新たに解放された魔導ブレードで迎撃する間、トーマは警備システムそのものを停止。
奥の工房では、第三号機が周囲の大型設備を取り込み、十メートル級の異形となっていた。
マオは「アレはもう、姉ではありません」と破壊を選ぶが、トーマは「問題ない。俺が直す。そのために来たんだ」と宣言する。
第三号機は黒い外装を剥がしても自己修復する。トーマは彼女が《大型設備整備型》であることを利用し、工房の基幹設備をあえて破壊。本来の修理命令へ処理能力を奪い、外装の再生を遅らせる。
マオが十秒間のリミッター解除で敵を食い止める間にトーマが内部へ侵入し、本来の制御系を修復。正常化した第三号機自身が黒い制御機構を異物として排除する。
さらに本体を修理すると、異形だった第三号機は陽気なギャル風オートマタとして復活。ニックから「俺をマスターに認証しろ」と迫られても「ごめん無理」と即答し、トーマへ抱きついて「あちしのマスターはこの人だもんねー! 運命感じちゃったー!」と宣言する。
マオに名前があることを羨み、第三号機もトーマから《サン》と命名される。
帰還後、トーマは一連の功績をギルドから正式に評価され、《旧文明機構特別探索許可》を取得。旧文明案件に限り、A級指定区域まで立ち入れるようになる。
さらにサンの解析から、黒い部品が最初から姉妹機を狙って作られた制御機構だと判明する。
残る六機を探すと、一機だけ現在も移動中の信号を捕捉。その反応にも黒い干渉が重なっていた。
トーマは迷わず告げる。
「残りも全部直す」
別の迷宮都市では、黒い魔導機構を宿した一人の女性が人混みの中を歩いていた。
■各話のヤマとヒキ
第1話
ヤマ:価値なしとされた千リルの金属骨格をトーマだけが喜んで購入。修復して高性能オートマタ・マオを復活させ、ゴーレム襲撃ではトーマの構造解析とマオの規格外火力を見せる
ヒキ:マオには七体の姉妹機が存在。さらにゴーレムから、マオと共通する謎の黒い部品が発見される
第2話
ヤマ:トーマがマオ自身では不可能だった修理を成功させ、機体復元率80%へ。最大戦闘出力は姉妹中一位、出力制御精度は最下位と判明する
ヒキ:第三号機の反応を第二十九層で確認。黒い干渉も検出され、トーマが正式調査隊へ参加する
第3話
ヤマ:停止していた旧文明昇降機を現地修理。第二十九層ではマオの魔導ブレード無双と、警備システムそのものを止めるトーマの技術無双を見せる
ヒキ:異形化した第三号機が出現。マオが破壊を選ぶ中、トーマは「問題ない。俺が直す。そのために来たんだ」と宣言する
第4話
ヤマ:《大型設備整備型》という第三号機の設計目的を逆手に取り、マオの十秒間のリミッター解除で時間を稼ぎながら本来の制御系を修復する
ヒキ:第三号機自身が黒い制御機構を排除して暴走停止。トーマはさらに本体の修理を始める
第5話
ヤマ:異形だった第三号機をギャル風オートマタ・サンへ完全修復。サンがトーマを自らマスター認定し、マオは控えめに嫉妬。さらにギルドから旧文明案件に限るA級相当の探索権限を得る
ヒキ:黒い部品が姉妹機を狙った制御機構と判明。残る六機のうち一機が、黒い干渉を受けながら別の迷宮都市を移動している
■サブキャラクター
ニック
マオの骨格をトーマへ千リルで売った若い探索者。
「壊れた物を直すより、新しい物を拾った方が早い」という価値観を持ち、トーマとの対比になる。
マオの真価を知って後悔し、第三号機も先に手に入れようとするが失敗。最後はサンから「ごめん無理」とマスター認定を拒否される、一巻の軽いヘイト・ざまぁ役。
ギルド支部長
迷宮都市の探索者ギルドを管理する男性。
当初は低ランクの修理屋であるトーマを調査隊へ加えることに懐疑的だったが、その実績を受け《旧文明機構特別探索許可》を発行する。
一方でマオたちの危険性については判断を保留し、ミレアへ継続的な観察を依頼する。
■連載展開
トーマの魔導具修理店をホームとし、「町やギルドから持ち込まれる壊れた魔導具」と「残る姉妹機を探す探索」を並行して展開する。
日常回では、他の技師が匙を投げた魔導具や用途不明の旧文明品をトーマが修理し、本来の性能を引き出す。本人は名声より未知の機構そのものに喜ぶため、その価値観のズレがギャグになる。
探索回では、残る姉妹機を一体ずつ追う。姉妹ごとに設計目的、能力、性格、外見、故障状態を変え、その用途自体を攻略法へ利用する。
修理後には、本来の美しい姿、新能力、個性的な人格、トーマとの新たな関係を報酬として置く。また新しい姉妹の加入によって、マオの嫉妬など既存キャラクターの新たな一面も引き出していく。
社会的には「町の底辺修理屋」という立場を残しつつ、旧文明案件ではA級探索者やギルドから頼られる存在へ成長させる。
長期の縦軸は、姉妹機へ侵入する黒い制御機構と旧文明の秘密。
誰が姉妹機を狙っているのか。なぜ制御規格を知っているのか。マオを起動した部品は何なのか。八姉妹は何のために作られたのか。
トーマは世界を救う使命ではなく、「見たことのない機構を見たい」「壊れているなら直したい」という欲望を追う。その結果として、姉妹機と旧文明を巡る事件の中心へ近づいていく。