あらすじ
野望少女と革命少女。
世界を滅亡させられるほどの能力に目覚めた気弱な女子高生【夢々美】と、何の力も持たないが『人類をみな幸福にする』という野望を持った気高い女子高生【凛子】が出会い、二人で野望をかなえようとするお話。
お嬢様と小動物系女子、性格も育った環境も違う二人の少女が、お互いに影響を与えて精神的に成長していく。
カドコミ漫画原作コンテスト【ナツガタリ'26】応募作品。
本作はシナリオ形式で書かれています。
〇登場人物
・夜明 夢々美《よあき ゆゆみ》
16歳。高校二年生。高校からの外部生。親しい友人はいない。
弱気で大人しい、一見普通の少女。内弁慶で、心を許した相手には、天真爛漫さや純真さ、ワガママで子供っぽいな性格が顔を出す。
特技は眠ることだが、本当は『夢の世界を歩ける』こと。自分の思い通りに夢をコントロールできる。この世界が、自分の見る夢のように素敵なものになればいいのに、と漠然と思っている。
優しい両親に、少し過保護ぎみに愛されて育ってきた。
ある日、些細なことからクラスメイトとその取り巻きたちから虐められるようになる。しばらく我慢していたが、大切にしていた母親からのプレゼントを壊されたショックで能力が拡張し、 クラスメイトたちを一瞬で昏睡状態に陥らせた。
クラスメイトたちの夢の世界に入り込み、夢々美を虐める原因となった出来事を忘却させたのち目覚めさせると、力の使い方を完全に把握、世界中の人間の夢に入り込めるうえに好きなように変えられると確信した。
その恐ろしさに絶望し、偶然その光景を見た凛子にすがる。
それ以来、凛子に利用されるが、本人は『友達ができた』と喜んでいる。
・明星 凛子《みょうじょう りんこ》
17歳。高校二年生。初等部から入学した内部生。
公明正大、清廉潔白な生徒会長。不正を許さず、悪を憎み、クールで上品な、皆の理想のお嬢様。下級生にとっては憧れのお姉さまではあるものの、外見が完璧すぎて近寄りがたく思われている。
野望は、『人類皆幸福』。じんるいみなこうふく。
世界中の人々が幸せであればいい。そういう世界にしたい。
自分にも他人にも厳しい性格でありながら、全ての人への平等な愛――博愛を説く。
「日日是好日《にちにちこれこうじつ》、人類皆幸福《じんるいみなこうふく》」が口癖。歌うように口ずさむ。「――本当にそうなら、どんなに良いのにね」と寂しそうに続けることもある。
『日日是好日』は既存の言葉だが、『人類皆幸福』は凛子の母親の造語。「毎日が無事でよい日であり、どんな人も幸せに暮らせますように」という願いを込めている。
もちろん、現実には全員を救えないと割り切っており、小を切って大を救う行為も行う。部費の管理とか。
だが、それらは全て上っ面に張ったメッキで、『こうありたい』と願う凛子の努力の賜物で身に着けた『理想の自分』である。根底では『捨てられたくない』と懇願しており、そのために『理想のお嬢様』を演じている。
夢々美の能力が唯一通じず、またその能力に覚醒した瞬間を目撃したことから、夢々美に頼られる。
夢々美の力を利用して、自らの野望をかなえようとする。だが、むしろ凛子の方が救われる。
・久野木ありす
2-B。凛子・夢々美と同じクラス。
社長令嬢。
些細なことで夢々美をイジメるが、能力によって原因を忘れ、友人になる。
・水島教師
2-Bの担任。
夢々美のいとこ。
・岸 総一郎
28歳。男性。
凛子の父親の秘書(の一人)。
政治家を目指している。
先生の高校生の娘の面倒を見る、という奇妙な仕事も明るくこなす。
凛子の高校生離れした態度・仕草・佇まいに、ある種の尊敬の念を覚えている。逆に言えば、凛子の作り出した『理想の虚像』しか見えていない。